三回目となる当個展は
外出もままならなかったこの三年間に書き溜めたもので
見渡してみればそのどれもが内に籠っていた分だけ
深くて濃い仕上がりになりました。
そこで自然と浮かんだタイトルは、DEEP「ディープ」

ディープは「深い、奥行のある、深くはまり込んでいる濃いさま」で
日本海溝のような物理的に深いものから、思慮深い、味わい深い、縁が深いなど
直接見えない深さも多い。

絵の世界も何処まで行ってもたどり着けない深さがある。
人物画なら人の心、風景画なら音や光、匂いのような空気感、
静物画なら佇まい等、見えない所に描き手の誰しもが腐心し、
見る者にどれだけ深く感じさせることが出来るのかが
アーチストの永遠のテーマ。

今回は人物画18点、生物画3点、風景画7点の計28点の展示を行います。

この中から絵の深さを少しでも感じていただければ幸いです。

　　　　　　　　　　樋口　泰（ヒグチ　トオル）

樋口　泰　　プロフィール

1948年9月30日　大阪生まれ

20歳　　　　小田実の「何でも見てやろう」を読んで触発され、
　　　　　　シベリア経由ヨーロッパ、中近東、インドを巡り
　　　　　　世界の広さに感動する。
27歳　　　　建築探訪で世界一周する。
　　　　　　この時、世界の美術館を巡り、アートの深さに感銘を受ける。
30～65歳　　建築事務所自営の傍ら、毎年国内外の建築と美術館巡りをする。
67歳　　　　日展で見たハスの絵に打たれ、作家とコンタクト。
　　　　　　画家の主宰するパステル大作研究会に通う。
70歳　　　　初個展
71歳　　　　第二回個展
72歳　　　　ユース美術館　会員
74歳　　　　ラ・イン会 会員　尼崎美術協会　会員
　　　　　　第三回個展